雑記@キヨシ
こんにちは。どうも、イラスト班のキヨシです。
雑記といっても特に書くことが思いつかず、ほったらかしにしてました。
でも何か書かなきゃかということで、最近知ったこととか考えたことを書きます。
自分は去年から、日本昔ばなしの絵本イラストを描く仕事をしています。
日本昔ばなしなんて子どもの頃以来で、大人になって改めて読むとまた違った見え方がしてくるものです。
また、イラストを描く際の参考資料を漁ったりすると、昔ばなしは子ども向けにいろいろ改変されていることがわかったりします。
今ちょうど描いてるのが『かちかち山』という昔ばなしで、これはイタズラたぬきがお婆さんを騙して殺害し、その敵討ちとしてうさぎがたぬきの背中に火をつけたり、火傷跡に薬と言ってからしを塗ったり、泥舟に乗せて海に沈めたりするといったお話です。『さるかに合戦』など含め、数ある「敵討ちもの」の中でもかなり残酷な気がしますね。
今描いてる話だと、たぬきはお婆さんを木の棒で撲殺した後、ただ山へ逃げるだけです。しかし、原作(室町時代末期〜)の『かちかち山』を調べてみると、驚愕します。なんと、たぬきはお婆さんを殺害したあと、その肉で鍋を作り、お婆さんに化け、帰ってきたおじいさんに「たぬき汁」と言ってその鍋を食べさせると「婆さん汁喰った爺さんやーい、流しの下の骨を見てみろ!」と言って嘲笑いながら山に逃げるのです……。
何か、坂口安吾の「文学のふるさと」的なものを感じますね。個人的には、そういった昔ばなし特有の残酷性というか、「壊れたものは二度と戻らない」ような、強烈な「現実感(リアリティ)」は好きです。もちろん「物語」だから誰も死なない、何も失わない、悪いことは起こらないというのもアリだとは思います。ただ、「現実感(リアリティ)」がある物語はそれだけ説得力が強まり、厚みも増すと考えています。
『かちかち山』で描写されるお婆さんの死は、擬人化されたたぬきやうさぎといったファンタジーの中で、強烈なコントラストを持って「現実」を突きつけているのかもしれませんね(深読み)。
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